第5話「ジャグナー要塞・防衛戦(開戦前)」 |
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C.E.862年4月 ジャグナー森林。 鬱蒼と茂った森林地帯であり、枝の垂れ下がった針葉樹が多く、遠くが見通せないエリアである。 ゲームの時は街道が敷かれており、サンドリア王国からジュノ公国に進むなら必ず通った場所。 厳密には違うがザックリと言えば、ジャグナー森林から西にサンドリア王国、東にジュノ公国、南にラヴォール侯国といった配置だ。 この世界では飛空艇が発達しているので、ジャグナー森林の街道整備は殆どされていなかった。 代わりに私の知る世界では存在しない、巨大な要塞がジャグナー森林の中央に生えていた。 星型の要塞の外側に三重の壁があり、壁と壁の間に内堀、一番外の壁に外堀という、地上の往来を一切無視した設計。 これが飛空艇があることを前提で作りましたということなのだろう。 さて。 普段は木々の音や川のせせらぎぐらいしか聞こえない、森林浴ぴったりの静寂な空間が、今日はドヨドヨと腹に響く重低音に満ちていた。 オーク帝国、クゥダフ兵団、ヤグード教団、闇の王親衛隊が統一されて組織された「獣人血盟軍」がこの要塞をグルっと囲んで戦いの始まりを待っていた。 その数、約10万。 人間よりも一回りも二回りも大きな生物が、10万も押しかけてアイドリングしているんだから、ジャグナー森林にいるのに、ジャグナー森林ではないような異世界感だ。 対するラヴォール侯国軍は約2万。この5倍差を要塞パワーでなんとかしたいところ。 異世界と言えばさ、FINAL FANTASY XIの世界に来ました、しかし普通のFINAL FANTASY XIではなく、ちょっと違う世界です。 そんな世界にメゥリリー族という別の種族で来ました。 どんな事がおこるかなー。って事で私は存在しているんだけど、まったくメゥリリー族としての特殊イベントが無い。 見た目が可愛い女の子で、実は女の子ではない、どっちもやれますってことならば、もうちょっと、こう、あっても良かったと思うのだが。 なんで今、こうやって要塞の一番外側の城壁の上で、オーク兵を見下ろしているんだろう。 見下ろしているといっても、1kmぐらい先だから、ほぼ見えていないけど。 ククル豆の商品が違法物扱いされないよう祈ってから既に1年くらい過ぎていた。 その間にちょこパママ屋は、結構な組織化を行い、名称がちょこパママ屋からちょこパママ団と変わった。 輸出、輸入、販売はもちろん、飛空艇を所持し、戦闘も出来る「団」と名乗って相応しい組織になっていた。 活動が安定してきたなと充実感を持ち始めた頃、ラヴォール侯国から徴集がかかった。 そういう契約だったからしょうがないにしても、おかしいな。戦争はもう無いはずだったのに。 ちょこパママ団が配置された場所は要塞の西側。 サンドリア王国に向かう方である。 獣人血盟軍は要塞をぐるりと囲んでいるので、サンドリア王国が出兵してくれれば背後を突ける形になるが、ちょこパママ団の諜報系特殊部隊「シュガースポット」からの情報によると、まだサンドリア王国は準備不足であり、オルシャー伯爵率いる騎士300余名のみが出立とのこと。 うーん。万単位の敵に300人か。 ただ、ノルバレン騎士団は精強との事だから、攪乱とか期待したい。 あ、ノルバレンとは地方の名前。 私の知るFINAL FANTASY XIではこのラヴォールもノルバレンの一部だ。 本来はノルバレン地方という大きな地域があり、その中にラヴォール村があって、フェルドロット侯爵がノルバレン地方を治めている。 しかし、この世界のFINAL FANTASY XIでは本来のノルバレン地方の北西半分がノルバレン、南東半分がラヴォールとなっている。 ちょこパママ団の戦闘部門、54人(1部隊18人の3部隊)と、諜報系特殊部隊「シュガースポット」から6名、戦闘系特殊部隊「スイートスポット」から6名の66名と、私と副団長で総数68名が参加している。 各地の支店は通常通りの運営しているので、ここに引っ張ってこれるのはこれが限界だ。 支店の運営は普段、副団長が行っており、副団長は常勤3名と非常勤1名おり、非常勤の副団長が参戦しているので、とりあえず運営に支障は無い。 約10万の敵兵相手に68名。さきほど残念風に言ってたオルシャー伯爵率いる騎士300余名よりも少ない。 どういった立ち回りをしようか。 とりあえず、今現在、包囲している獣人血盟軍にラヴォール侯国軍の使者が「話し合い」に行っているところ。 結果はなんとなく分かっている。 使者さんがクリスタルから一か月後の復帰になるようなことはやめてほしいな。 |
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